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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 20 魅惑的な天使

「あの、でも、あっちのお客はいいんですか…」
 思わずそう訊いてしまう。

「大丈夫よ、まだまだ遊び方がヘタなんだって諭しておくから…」

「はあ、わかりました…」
 だが、まだ、私にはよくわからなかった。
 ただ、ママは律子の、そして私の味方であるという事だけが良くわかったのである。

 銀座の、大人の、遊び方やルールは、まだ、私みたいな若造ではまだまだ、わからない…
 と、いう事だけがわかったのである。

「じゃあ、山崎専務失礼します…」

「ああ、また明日な…」
 そして山崎専務はこの後は、鮨屋でママと待ち合わせなのである。

 店を出た私と律子は早速、タクシーに乗り込む。

「お腹は…」
 律子はそう訊いてきた。

「さっき済ましてきたから…」

「じゃあ、わたしの処で…」
 よいですね…
 そう目で呟いてくる。

「ああ…」
 もちろんだ…
 さすがに断れない、し、断わるつもりもなかった。

 この魅惑的な、天使のような美しい律子を目の前にして…
 
 隣に置いて…

 カラダをもたれかけられ…

 手の指先を絡められて…

 断れる男がこの世に、果たして、存在するのであろうか…

 この甘い香りを…

 この美しいプロポーションを…

 この魅惑的な光沢の艶やかな美しい限りなく透明な黒いストッキング脚を…

 我慢する事など出来やしない…

 出来るはずがない…

 なぜならば、この美しい魅惑的な光沢の艶やかなストッキング脚を放り投げる事など、ストッキング脚フェチ、ストッキングラブには出来るはずがないのである。
 そしてそれを放って帰る程、まだボケてはいないのだ。

 出来る訳がない…

 そして私は思わずスカートから覗くその美しい魅惑の膝に手を触れながら、吸い寄せられるかのように律子に唇を寄せていく。

「あぁん…」
 そしてなぜかいつもこの律子の声に、心が震え、蕩けてしまうのである。

「ダメ、まだよ、待って…」
 律子はスッと唇を放して、私の唇に人差し指の指先を押さえて、そう言ってきたのだ。

「運転手さん、とりあえず天王洲アイル駅まで…」
 そしてそう告げる、と、タクシーは首都高速に軽やかに入って行く。





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