この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 47 シャネルの残り香

「やはりそうですかね…」

「うむ、やはり山崎専務はすごいや、あの若さで専務まで駆け上がる訳だ…」
 やはりサラリーマンも情報が一番なんだなぁ…
 と、まるで他人事のように話してきた。

「そうなんですかねぇ…」

「ああ、今は、今は大人しく、粛々とこの新規事業をうまく行くように頑張っていき、山崎専務を足場にする、という方向に歩んだ方がよいと思うな…」

「ま、それはそうですけど…」

「うん、今はそれがいい…
 今は足元をしっかり固め、寝首を掻かかれないように、周りを固めること…」
 これが、今は、一番だと思うぞ…

 大原本部長のその言葉が、何かが、この先にあるような想いを感じたのだが、今は確かにこれでいいのかも…
 と、わたしもそう考えたのである。


「ところで…」
 わたしにはもう一つの疑惑があったのだ。

 言うか、言わまいか…

 触れるか、触れまいか…
 さっき遅れて出勤してきた大原本部長を、彼を、一目見た時から、話した瞬間から、感じている違和感があった。
 わたしはじっと彼を見る。

「な、なんだ…」
 そのわたしの目を見て、一瞬に彼は狼狽えた感じになったのだ。

 ふうん、そうか…

「えっ、いや、別に…」

「………べ、別にって…」
 彼は一気に挙動不審的な顔になる。

「いや、なんか…」

「うん…」

「そのネクタイ…が…」

「えっ…」
 
「ネクタイの趣味が…」

「佐々木室長っ、すいませーん…」
 越前屋朋美さんがわたしを呼んできたのだ。

「あっ、はい、今行く…」
 この越前屋さんの声掛けは、彼に、大原本部長とっては、実にいいタイミングであった。
 それに周りにはこの準備室のメンバーがいるのだ、誰が訊いているかわからない。

 とりあえず、今は止めておこう…

「本部長…
 やっぱり…なんでもないです…」

「えっ、あ…」
 大原本部長はこれだけで思い切り動揺の色を浮かべてきた。

 そしてわたしは嫌味を込めた笑みを浮かべて一瞥し、越前屋さんの方へと向かったのだ。

 ま、いいか…

 今は…

 そう思っているわたしの鼻腔には、甘いシャネルの残り香が感じられていたのである。

 シャネルのお姉さんか…

 なんか今日は露骨だなぁ…

 なんか今日は匂いが…


 きつい…





/2537ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ