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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3 大原本部長と佐々木ゆかり部長
49 勘違い
愛は盲目という言葉を訊いた事がある。
まさか…
まさか、これがそうなのか…
そういうことなのだろうか…
じゃないとあのいつもと違う趣味の、見たことがないようなあのネクタイの違和感の説明がつかない。
いや、そんな気がするだけなのだろうか…
でも…
でも、わたしと彼、大原浩一は既にもう2年間も付き合ってきているのだ。
そしてここ最近、約1年間、いや、1年半以上は定期的に逢瀬をし、肌を合わせ、心を確かめ合いながら愛を交わしてきているのである。
だから、この違和感は、勘は、信じられる…
筈なのだ…
だが、昨夜の彼の電話の声には、声の想いには、違和感はなく、逆に彼の慈しみの想いを感じ、愛も感じていた…のだが。
わたしの勘が狂ったのか…
本当の勘違いというやつなのか…
だがシャネルの残り香がいつもより微かに強いのだ
そしてあの甘い残り香が
なにかが違う…
と、訴えかけてくるのである。
微かな違いなのである…
だが、その微かな違いの残り香が、わたしに訴えかけてきているような気がしてならないのである。
銀座のお姉さんの…
お姉さんの挑戦なのか…
ザワザワと胸が騒ついてきていた。
「あのぉ、佐々木室長…」
越前屋さんがあまりにもわたしがボーッとしているので、困惑の表情を浮かべていた。
「あっ、えっ、あ、ごめん」
すっかり頭の中がシャネルの残り香のことに占領されてしまっていた。
今は仕事だ…
そう、多分、わたしの文字通りの、勘違い、ってやつなのだ…
愛情の高まり、昂ぶりが、このわたしのレーダー機能を狂わせて、曇らせているだけなのである。
そう…
そうに違いないのである…
今は仕事しなくちゃ…
「あのぉ…」
すると今度は蒼井美冴さんが困惑の表情を浮かべてわたしに声を掛けてきたのだ。
蒼井美冴さんか…
困惑しているようだ。
それはそうだろう、突然の主任の辞令なのだ…
だがわたしも違うことで困惑しているの…
それどころではないのだが、そんな訳にはいかない。
ああダメだ…
心が揺れたままで止まらない。
理由は違うが困惑した二人が互いに見つめ合っていた…
わたしは違和感に戸惑い…
蒼井さんは不相応に戸惑う…
愛は盲目という言葉を訊いた事がある。
まさか…
まさか、これがそうなのか…
そういうことなのだろうか…
じゃないとあのいつもと違う趣味の、見たことがないようなあのネクタイの違和感の説明がつかない。
いや、そんな気がするだけなのだろうか…
でも…
でも、わたしと彼、大原浩一は既にもう2年間も付き合ってきているのだ。
そしてここ最近、約1年間、いや、1年半以上は定期的に逢瀬をし、肌を合わせ、心を確かめ合いながら愛を交わしてきているのである。
だから、この違和感は、勘は、信じられる…
筈なのだ…
だが、昨夜の彼の電話の声には、声の想いには、違和感はなく、逆に彼の慈しみの想いを感じ、愛も感じていた…のだが。
わたしの勘が狂ったのか…
本当の勘違いというやつなのか…
だがシャネルの残り香がいつもより微かに強いのだ
そしてあの甘い残り香が
なにかが違う…
と、訴えかけてくるのである。
微かな違いなのである…
だが、その微かな違いの残り香が、わたしに訴えかけてきているような気がしてならないのである。
銀座のお姉さんの…
お姉さんの挑戦なのか…
ザワザワと胸が騒ついてきていた。
「あのぉ、佐々木室長…」
越前屋さんがあまりにもわたしがボーッとしているので、困惑の表情を浮かべていた。
「あっ、えっ、あ、ごめん」
すっかり頭の中がシャネルの残り香のことに占領されてしまっていた。
今は仕事だ…
そう、多分、わたしの文字通りの、勘違い、ってやつなのだ…
愛情の高まり、昂ぶりが、このわたしのレーダー機能を狂わせて、曇らせているだけなのである。
そう…
そうに違いないのである…
今は仕事しなくちゃ…
「あのぉ…」
すると今度は蒼井美冴さんが困惑の表情を浮かべてわたしに声を掛けてきたのだ。
蒼井美冴さんか…
困惑しているようだ。
それはそうだろう、突然の主任の辞令なのだ…
だがわたしも違うことで困惑しているの…
それどころではないのだが、そんな訳にはいかない。
ああダメだ…
心が揺れたままで止まらない。
理由は違うが困惑した二人が互いに見つめ合っていた…
わたしは違和感に戸惑い…
蒼井さんは不相応に戸惑う…