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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 67 目の魅力

 わたしと蒼井美冴さんの二人で千駄ヶ谷のワインバーに来店した。

「じゃあ、カンパーイ」
 まずスパークリングワインで乾杯をする。
 そして何品かの料理を頼む。

「蒼井さんは結構いけるの…」
「いえ、3~4杯くらいです、ゆかり室長は…」
「うーん、同じくらいかしら、あ、二人なんだからゆかりでいいですよ…」
「ええ、でもなぁ…」
「何言ってんですか、蒼井さんの方が年上だし…」
「あ、美冴でいいですよ、じゃ、ゆ、ゆかりさん…」

 ドキッ…

 わたしはそう言ってきたその目にドキッとしてしまった。
 
 なんて魅惑的な目なのだろか…

 わたしは同性愛ではない、過去から遡っても同性の女性にはときめいた記憶はなかった、だが、今、このドキドキとするときめきの昂ぶりは何なんだろうか、何て説明したらよいのだろうか。
 そのくらいに一気に昂ぶってしまったのである。

「あら、ゆかりさん、どうかしました…」
 そんなわたしの気配を感じたのか美冴さんは声を掛けてきた。

「えっ、あ、いや、なんか美冴さんて…」
 綺麗だなぁ…って

「ええ、なに言ってるんですか、美人部長さんが、もお…」
 二人して動揺してしまう。

 わたしは特に、あの『黒い女』時代から美冴さんを過剰に意識していたから、こうして二人で会話を交わしたら、改めて彼女の美しさ、艶気、魅力に魅了され、余計に昂ぶってしまってきたのである。
 特にこの目である、あまりの魅惑に同性なのに吸い込まれてしまいそうなのだ。
 あの『黒い女』時代の、おぼろげな、無気力な、全てに達観したかのような目とは大違いであり、まるで別人の目なのである。

「あっ、あの『黒い女』とは全然違うなぁ、って今思ってたでしょう…」
「えっ、あっ、いや…」
 ズバリのタイミングで見透からされてしまったようだ。

「そうですよね、そうよね、確かに別人ですよね…」
 そしてわたしの目を見つめてくる。

 ドキッ、ドキドキ、ドキドキ…
 
 やばい…

「そうですよね、誰だって、訊きたいですよねぇ…」
 わたしの魂を吸い込むかのような魅惑的な目で見つめてくるのだ。

「なんか、わたしも…」
 ゆかりさんに話したい気分…
 そう言いながら、店員を呼んだ。

「ええと…」
 フランスのやや甘口の赤ワインを頼む。

「ゆかりさんは…」





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