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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 69 ゆかりの目…

 美冴さんの『黒い女』の秘密…

 それに比べてわたしの過去の…

 あの過去の汚さ…

 自己嫌悪に陥ってしまいそうであった。


「ま、『黒い女』の物語はこんな感じです…」
 美冴さんはそう気を利かせてくれて明るく云ってくれた。

「あ、話してくれて、ありがとうございます…」
 わたしはついに鼻をかむ。

「そう、わたし、ゆかりさんに訊きたいことが前からあったの…」

 ドキドキ…

「えっ、な、なんですか」

「うーん、ええとねぇ…」
 なんとなく話しずらそうである。

 ええ、何だろうか…

 まさか…

 まさか…



 ドキドキ、ドキドキ…

 再び、わたしを見る美冴さんの目が、妖しく、魅惑的な目になってくる。

 ああ、この目、やばい、魅せられる…

 魅せられてしまう…

 ドキドキ、ドキドキ…

「ええとねぇ、そう、その目よ…」

 そう、ゆかりさんのその目のこと…

 美冴さんはそう訊いてきたのである。


 ああ、やはり、それかぁ…
 確かに、十分に、そう訊いてくる事には思い当たるのである。
 あの『黒い女』時代に、色々な意味で美冴さんに魅せられて、魅了されて、目が離せなくなっていたのであった。
 ある意味、今夜、二人でこうして飲む事で必ず訊いてくるであろうと予想はしていた、いや、これを恐れていた。

 いや、違う…

 いや、違うのだ、恐れてなんかいない、わたしは話したいのだ…

 話したいのである…

 今、その想いに気づいたのだ、この胸の想いを、昂ぶりを話してみたいのである。

 きっと話してみたら、この胸の昂ぶりの意味が分かるかもしれない…

 話してみたい、話したい…

 ドキドキ、ドキドキ…

 美冴さんのあれ程の過去の話しを訊いたのである、わたしも話さなければ、いや、話したいのである。

「そう、その目、その目の…」
 意味よ…

 美冴さんの目が妖しく魅惑的に輝いてきていた…
 





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