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シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング4 和哉と美冴1
1 もう一つの儚い理由
「和哉くん悪い、レジ頼めるかな」
「あ、はい」
本当は今夜はバイトではなかったのだが、当日欠勤が出て、急遽頼まれてバイト出勤をしていた。
どっちにしろ大学は夏休みなのだが、僕は実家には帰らないつもりでいた。
それにこれといった夏休みの予定もなかった。
だからこうした代打バイト出勤は構わないのであるが、なぜか今夜は平日の木曜日の夜にもかかわらず忙しく、また、人手が足りずに僕はキッチンと掛け持ちしながら、バタバタと仕事をしていたのだ。
このファミレスチェーンは実家近くにもあって、僕は高校二年生の時からバイトをしており、大学に入学してからも敢えてこのファミレスチェーンでバイトを続けていたのだ。
なぜなら全国チェーン展開しているファミレスだから、バイトマニュアルは全国統一であり、慣れているからという単純な理由からである。
そしてもう一つの儚い理由もあったのだが、それはほぼ現実的ではない、本当に儚い理由ではあった。
その儚い理由もそろそろ大学4年生となり卒業が見えてきてほぼ諦めてはいたのだが、新設されたこの店舗に最後の望みを少しだけ持って、新規オープンのバイトスタッフとして移動してきたのである。
だがやはり儚い理由は、儚い希望であったという事の現実を痛感し、最近は完全に諦めていた、いや、既に脳裏からその希望は消えつつあった。
ま、世の中は、現実はこんなもんさ…
既に希望は諦め、いや、達観の境地になっていたのだ。
それに現実は大学卒業後の進路の悩みの方が切実であり、二つの選択肢から夏休み終わりには選択しなくてはならなく、それが今は一番の悩み、いや、最初の人生の岐路を迎えていたのである。
だから本当に儚い夢と消えつつあった。
そしてバタバタと仕事をしていると、
レジを頼まれたのだ。
すると下を向いた女性が一人、レジ前に立っていた。
「ありがとうございます、280円ですね…」
伝票を確認し、そう告げる。
そしてその女性は財布から小銭を取り出しトレイに置き、そして、何気なく顔を上げたのだ。
あっ、えっ…
ドキドキドキドキ…
「あっ…」
ドキドキドキドキドキドキドキドキ…
急激に胸が昂ぶってきた…
「和哉くん悪い、レジ頼めるかな」
「あ、はい」
本当は今夜はバイトではなかったのだが、当日欠勤が出て、急遽頼まれてバイト出勤をしていた。
どっちにしろ大学は夏休みなのだが、僕は実家には帰らないつもりでいた。
それにこれといった夏休みの予定もなかった。
だからこうした代打バイト出勤は構わないのであるが、なぜか今夜は平日の木曜日の夜にもかかわらず忙しく、また、人手が足りずに僕はキッチンと掛け持ちしながら、バタバタと仕事をしていたのだ。
このファミレスチェーンは実家近くにもあって、僕は高校二年生の時からバイトをしており、大学に入学してからも敢えてこのファミレスチェーンでバイトを続けていたのだ。
なぜなら全国チェーン展開しているファミレスだから、バイトマニュアルは全国統一であり、慣れているからという単純な理由からである。
そしてもう一つの儚い理由もあったのだが、それはほぼ現実的ではない、本当に儚い理由ではあった。
その儚い理由もそろそろ大学4年生となり卒業が見えてきてほぼ諦めてはいたのだが、新設されたこの店舗に最後の望みを少しだけ持って、新規オープンのバイトスタッフとして移動してきたのである。
だがやはり儚い理由は、儚い希望であったという事の現実を痛感し、最近は完全に諦めていた、いや、既に脳裏からその希望は消えつつあった。
ま、世の中は、現実はこんなもんさ…
既に希望は諦め、いや、達観の境地になっていたのだ。
それに現実は大学卒業後の進路の悩みの方が切実であり、二つの選択肢から夏休み終わりには選択しなくてはならなく、それが今は一番の悩み、いや、最初の人生の岐路を迎えていたのである。
だから本当に儚い夢と消えつつあった。
そしてバタバタと仕事をしていると、
レジを頼まれたのだ。
すると下を向いた女性が一人、レジ前に立っていた。
「ありがとうございます、280円ですね…」
伝票を確認し、そう告げる。
そしてその女性は財布から小銭を取り出しトレイに置き、そして、何気なく顔を上げたのだ。
あっ、えっ…
ドキドキドキドキ…
「あっ…」
ドキドキドキドキドキドキドキドキ…
急激に胸が昂ぶってきた…