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シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング4      和哉と美冴1
 2 再会

 その女性は財布から小銭を取り出してトレイに置き、そして、何気なく顔を上げた。

 あっ、えっ…

 ドキドキドキドキ…

「あっ…」

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…
 急激に胸が昂ぶってきた。

 こういうことを衝撃的というのだろうか、一瞬、自分の中の時間が止まり、周りの風景や音が消え、目の前にいる女性しか見えなくなってしまっていたのである。

 えっ…

 あっ…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 目を疑った…

 あっ…

 えっ…

 うそっ…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

「えっ…」
 すると目の前の女性も驚きの声を漏らしてきた。

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 そ、そうなのか…

 そう…

 そうだ…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 あまりの驚きで胸が更に激しく昂ぶって苦しいくらいである。

「えっ…」

「あっ、えっ、み、美冴さん?」

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 ま、間違いない…

 美冴さんだ…


「えっ、あ、か、和哉なの?」
 すると、その女性が僕の名前を呼んだのだ。

 間違いない…

 間違いない、美冴さんだ…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 胸が張り裂けそうなくらいに一気に昂ぶってきていた。

「あっ…」
 だが、言葉が出ない。


「えっ…」

 その時である、他の若いグループのお客がザワザワと騒がしくレジに来たのである。

 すると美冴さんはそのグループ客を壁にするようにすうっとレジから離れ、逃げるように店を出ていってしまったのだ。

 ああっ…

 このグループ客のせいで僕はどうにもできなかったのである。
 急いでレジ清算をし、慌てて外に出たのだが、既にいなくなっていた。

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 み、美冴さんだ…

 間違いない…

 僕の名前を呼んだ…

 諦めていた儚い夢は、夢でなくなり、現実となった…

 ついに…

 ついに、再会した…

 僕は美冴さんと再会したのだ…

 いや、再会ではないか…

 見かけた…か…

 だが、諦めていた希望は消えず、再び湧き起こってきた。

 ついに…

 このファミレスチェーンでバイトをし続けるもう一つの理由…

 それは…

 美冴さんと再会する為なのである…



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