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シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング4      和哉と美冴1
 31 5年前、あれから…(17)

 そして旦那は、このお盆休みの連休に自宅マンションには戻らないのかもしれない。

 もうわたし達はダメなのか…

 ダメなのかもしれない…

 そんなタイミングの時、わたしの心の隙間に和哉が、和哉の存在が、スッと入ってきたのである。
 そしてわたしの心は、この三日間でかなり彼に対する想いが傾いてしまっていたのだ。

 禁断の、世間的には許されざる背徳の関係である事は重々承知していた。
 だが、この三日間で完全に和哉に夢中になってしまったのである。
 そして彼に対するこの熱い想いも、付き合い始めたばかりの恋心と同じように、今が一番熱いのだ、という事も分かってはいたのだ。

 だが、今は、それでいい…

 今はこうして旦那と完全にスレ違いとなってしまい、そしてこの地方都市には友達もいない。
 だからこの寂しい心を埋めるのは、いや、埋める為にも、和哉の存在が今は大切であり、重要なのである。

 とにかくこの知らない土地で、一人孤立しているようで寂しくて堪らないのである。
 こんな大型連休になり、いつもの日常と違う日々が寂しくて、怖いのであった。
 だから余計に和哉に想いが傾き、夢中になっていたのである。

 本当ならば、今夜、旦那と花火大会に行き、明日はどこかにドライブでも行こうと考えての、パートの三連休を確保していたのだが、こうして旦那が実家に隠ってしまったからには、明日も、明後日も、絶対に和哉と過ごすのだ。

 いや、過ごさなくちゃいられない…

 わたしは寝支度を整えて、寝酒に赤ワインを飲みながら、さっきまでの和哉とのラブホテルでの逢瀬の事を思い返していく…


「…………はっ」
 わたしは目を覚ました。

 ああ、寝落ちしてしまったようだ…

 まだ覚醒しない思考でぼんやりと周りを見回し、そして隣を見た。

 あ、和哉も寝落ちしている…

「……………」
 わたしは、しばし和哉の寝顔を眺める。

 かわいい寝顔…

 こうして見ると、まだ、本当に子供の、少年の顔をしていた。
 だけど、昨夜から、時折、男の顔が見え隠れしてきていた。
 そして今夜は昨夜の男の顔から、更に大人の顔へと変貌をしてきたのである。

 やはり、男にとっては、いや、少年にとってはセックスとは、この性の体験とはものすごい刺激なのであろうか…
 






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