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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
 30 豹変のスイッチ

 偶然ではない、あの爪先の愛撫は私の最後のギリギリの反撃であったのだ。
 私は余りにも激しかった射精感の余韻に浸りながら、腰にしがみ付いているゆかりの寝顔を見て思い返していく。

 あのままでは完全に漏らしてしまう、いや、イッてしまいそうだったので、なんとかゆかりの攻撃、いや口撃を、止めるにはどうしたらよいかと必死に思考を巡らせて反撃したのだが間に合わなかったのだ。
 
 先に漏らしてしまった…

 本当はあの足コキから逃げて一息ついたら今度は私の爪先でパンスト直穿きの股間を弄り、一気に形勢逆転を狙っていたのだが一瞬の隙に先を越されてフェラをされる、という口撃を受けてしまいにっちもさっちもいかなくなってしまったのである。
 彼女は何度も自らがイクのを耐えていたので疼きも限界だろうし、スカートにシミが滲む程に子宮の奥から愛蜜を溢れさせていた、だからパンストが濡れた股間に張り付きシームが割れ目に食い込んだ敏感な状態になっていると予想できていたので、私の爪先のほんの一擦りの愛撫で一気にイカせられると思っていたのだ、だが、情けないことにタッチの差で私が漏らしてしまった。
 だから自分がイキながらのあの最後の攻めが精一杯の反撃であったのだ。

 だが、あれほど淫らなゆかりは初めてだ、一体どうしちゃったんだろう、何が彼女をあんな感じに豹変させたのだろうか…

 どちらにせよあの淫らな、そしてどことなくフェチ的でエス的な彼女は大歓迎なのだが、あまりの豹変ぶりだから理由が知りたかった。

 何が彼女を変えるのか…

 でもあの豹変ぶりはたまらない、どちらかといえばいつも比較的受け身的であったし、そんなセックスが好みなのだと勝手に思っていたのだが、あんな一面を、フェチ的でエス的な衝動を隠し持っていたとは想像もできなかった、そして今までの彼女と比べたら正に豹変といえるのだ。

 何が豹変のスイッチなのか…

 『今夜も一緒にいたいの…』
 そう言ってきたイタリアンレストランの時のあの目。
 シャワーもいらないと私を攻めている時のあの目。
 足コキをしている時のあの愉悦の目。
 私をしゃぶっている時のあの淫靡な目。

 そうかっ、目だっ…
 
 それらの場面ではいつも興奮と欲情に濡れて輝いた目をしていた気がする。

 なにが彼女をあの目にさせるんだろうか…

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