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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
 34 同じ目

 あっ、あの目だ…

 「おかわりはいかがですか…」
 「うん、そうだなぁ」
 彼の目がほんの一瞬、その女性スタッフの上から下の履いているパンプスの先までをまるでチェックするような目で見たのだ。

 そうだっ、この目だ…

 わたしを興奮と欲情に狂わせた目。
 わたしの隠していた匂いフェチを露わにし、淫らにし、そして心の奥深くに隠れ潜んでいたサディスティックな衝動を惹き出した目。

 このフェチの目だ…

 この目に気づいたら再び胸がザワザワしてきていた。

 「そうだなぁ、ジャックダニエルのソーダ割りを貰おうか」
 「かしこまりました」
 「ゆかりはいいのか」
 「えっ…」
 考え込んでいたからドキッとしてしまう。

 「え、あ、じゃぁミモザで」
 「かしこまりました」
 そう言って奥に歩いて行く。
 
 「どうした、もう酔ったのか」
 わたしは首を振る。
 彼の目の奥深くにフェチの光りが宿っているように感じていた。
 
 このフェチな目がわたしを騒わつかせてくるのだ…

 いつもこのフェチな目の視線に気付いた時にほんの一瞬だけわたしはザワっとする、いや、ドキッとなのか、いつもそんなふうに感じていた。
 そしてわたしに向けられるこのフェチな視線は、わたしへの愛の証の一つなのだとして嬉しく感じていた。
 
 わたしに向けてくるフェチな目…

 いつも会社で朝一番の挨拶の時に一瞬、わたしの上から下のヒールの先まで視線が動く、その時の目。
 斜め前のデスクに座っているわたしを見てくる目。
 ホテルの部屋でシャワーを浴びる為に服を脱いでいるのをさりげなく見てくる目。
 朝を迎え、煙草を吸いながら横目でわたしの着替えを見てくる目。
 
 そうだ、この目だ、このフェチな目が昂ぶらせてくるのだ…

 「おまちどおさまです」
 ドリンクを持ってきた彼女を、彼は再びフェチの目で見る。

 ザワザワする、わたしが横にいるのに…

 その時はっと気づいたのだ。

 あの目だっ、黒い彼女を見る目だっ…

 黒い女を見る目と、今のこの女性スタッフを見る目が同じなのだ。
 
 いや違う、わたしを見る目も同じだっ…

 わたしはこのことに気づき、少しだけ、ふっ、と力が抜けていく感じがした。

 わたしだけを見ていた訳じゃないんだ、やっぱりフェチはフェチなのか…

 
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