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シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング4      和哉と美冴1
 88 1997年8月8日金曜日午前2時半 


 もう終わり…

 もうこの街にもいたくはない…

 この街の空気さえも吸いたくはない…

 だから…

 和哉とも終わりだ…

 さようなら、かずや…
 



 あぁ、和哉ぁ…

 自らの指先が快感を求め、激しくクリトリスを弄っていく。
 クリトリスの快感によりカラダの力は抜け始め、立っているのが辛く、浴室の壁に寄り掛かり、一心不乱に快感を求めて弄ってしまう。
 
 あぁ…

 あぁ、イクっ…

 あぁぁぁ、かずやぁ…

 わたしは5年前のあの和哉との最後の夜、最後のフェラの唇に残る感触を想い返して、自らクリトリスを弄り、絶頂感を自宅の浴室で迎えたのであった。

 奇しくも突然の、5年振りに一瞬ではあったのだが和哉と再会をしてしまい、激しく心が動揺し、自律神経の暴走が始まってしまって、それを治めようとこうして浴室で自慰行為をしたのである。


「あぁ…」
 
 ジャー、ジャバ、ジャバ、ジャバ…

 頭上からシャワーの水流が髪を濡らし、全身を濡らしていた。

「はぁ、ふうぅ…」
 この自慰行為により、なんとか少しは自律神経の暴走の激しいザワザワという動悸が落ち着いてきていた。

 だが、突然の和哉との再会による胸の騒めきは、まだ落ち着いてはいなかった。

 なぜ…

 なぜ、突然、今夜、再会してしまったのだろうか…

 この再会に、何かの意味があるのだろうか…

 なにかの因果の流れでもあるのだろうか…

 あの5年前と同じチェーン店の、しかもわたしの実家近くの、つまりは駒澤大学近辺のこのファミレスでの再会という事は、わたしが和哉に唯一残してきた手掛かりであり、この5年間ずっと和哉がわたしを探していたというメッセージであるのは解る。
 だからといって、今夜再会しなくてもいい訳だし、永久に再会しなくてもよかったのではないのか。
 
 だってわたしは決して和哉との再会は切望してはいなかったから…






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