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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
 36 お酒の力

 わたしはお酒は好きだが強くはない、ただアルコールの酔いという不安定なふわふわとする漂うような感覚が好きである。
 そんなアルコールの、お酒の酔いの力を借りたかった。

 「ワイルドターキーをダブルで」
 ここは部長の行き着けのバーである。
 
 「わたしはギムレット」
 「大丈夫なのか」
 わたしは頷いた、ギムレットはジンベースのショートカクテルで弱いお酒ではない、部長はそれを心配してくれたのだ。

 この最上階のバーの夜景は都庁のある副都心方面を向いていて、都会の夜の煌めきにも酔いそうであった。
 今夜は週末の夜である、わたし達の座っているカウンターの両隣のどちらもカップルの恋人同士である。

 カシャッ、シュポッ
 「ふぅぅ…」
 彼が煙草に火を点け、煙を吐く。
 わたしの鼻孔に煙草の匂いが広がり、染みてくる、それはわたしにとってはたまらない媚薬の香りともいえた。

 トク、トク、トク…

 このカクテルで先ほどのレストランから3杯目であった、ほのかなアルコールの酔いが全身を流れ、動悸が少し昂ぶってきているようだ。
 わたしはこんな酔いがたまらない。

 煙を吐きながら彼はわたしを見つめてくる、その目はいつも通りに穏やかであった。
 そしてわたしは酔いの力を借りる。

 「………」
 「ん……」
 わたしは静かにカウンターの下で彼の手を握る、そしてゆっくりとその手を引き寄せ、ワンピースの裾の中に導いたのだ。
 
 「う…んん…」
 事態を察知した彼の目が一瞬でフェチの輝きを宿した。

 なにをしてるんだ…
  と、彼の目から伝わってくる。

 そしてその目はすっかりフェチの本能の目になっていた。
 そのままゆっくりと彼の手をワンピースの奥深くへと導いていく。
 隣には見えないようにバッグを腿の上に置いて隠す。

 ドキ、ドキ、ドキ、ドキ…

 酔いも手伝い動悸と想いが昂ぶってくる。
 そして彼の指先が導きに従って一番奥深くに辿り着いた。

 わたしはノーパンなのだ、シャワーのあとそのままワンピースを着ただけだったのだ…

 それに気づいた彼の目が輝きを増し、正に燃えるような淫靡な輝きを放ち始めてくる。

 この目だ、ゾクゾクしちゃう…

 「……っ…」
  指先が既に蜜に溢れたヒダに触れた。

 あぁぁぁ…
 声に出せない喘ぎを上げた。

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