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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
 40 嫉妬心

 部長はわたしを弄りながらあのフェチな目で見つめてきた、そしてその目を見てわかったのだ。

 わたしは彼のわたし以外の女を見る目に嫉妬していたのだ… 

 他の女をこのフェチの目で見て欲しくないという自覚のない嫉妬心から彼の気持ちを惹こうとして、無意識にわたしの心とカラダが興奮し、欲情し、淫らになっていたのであった。
 すべての原因はわたしの嫉妬心からだったのだ。

 このわたしが嫉妬をする、嫉妬をした…

 わたしはこの嫉妬心という想いに愕然としていた、なぜならば今までのわたしの人生の中で嫉妬をしたという記憶も自覚も殆どなかったからである。
 子供の頃から思い返しても浮かんではこなかった。
 
 一人っ子だから親の愛情を独り占めして育ってきた、だから兄弟、姉妹という類の嫉妬心は持つ理由もない。
 小さい頃から常に勉強はできた、そして成績はいつも上位だったが大学までエスカレーター式のせいなのか競争心もなく順位にも全く興味もなかったのでわたしより成績が上位の子がいても、その子達に対して嫉妬するということもなかった。
 スポーツに於いても高校時代までバスケットをしていたが、弱小部活動で運動不足解消が主な目的だったから強い学校に対しての競争心とか嫉妬心など存在しなかった。
 大学に進学してからは眼鏡からコンタクトレンズに変え、髪を伸ばし、化粧をし、流行を気にするようになり、お洒落に気を遣い始めた瞬間から男達にモテ始め、常に周りには男達が集まり、私はいい女なんだと自覚し始め、思う存分好き勝手に男達を手玉にして遊びまくった。
 自分の周りの男達は皆ほぼわたしに従い、男をフルことはあってもフラれたことはなかったので他人を妬んだり、ひがむという嫉妬心とは無縁であったのだ。

 唯一の挫折、汚点的な出来事といえばバツイチとなった離婚問題くらいなのだが、元夫の余りの低能さに呆れ果ててしまい夫の浮気相手に対しても嫉妬心という感情は湧きさえしなかった。
 それ以降、以前より更にキャリアアップを目指して努力し、またエステやジムなどにも通い、常に自分磨きをしているので、正直自分が他人に劣るという挫折感や嫉妬心を味わったこともないのである。
 だからこそこの嫉妬心という気持ちを持ったことに対して愕然とした想いが湧いていたのだった。

 このわたしが嫉妬をする、一体誰に…


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