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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
 41 嫉妬の相手

 このわたしが嫉妬をしている、
いったい誰に対して嫉妬しているというのだ…

 わたしは部長の指の動きの蕩ろけそうな快感に浸り、声を抑え、微かに震え、時折それらの快感の疼きの波に意識をさらわれそうになりながらも彼の目を見つめ続け、必死に考える。
 そして答えは一つしかなかった。

 あの黒い彼女だ、あの黒い女にわたしは嫉妬している…

 本当はなんとなくわかっていた、わたし自身の心の奥深くではそんな想いの胸騒ぎは黒い彼女の存在を意識してからずっとしていたのだ。
 ただ認めたくなかったのだ、このわたしがあの黒い女に嫉妬を感じることなど思いもしたくはなかったし、それはわたしのプライドが許さなかったのである。
 でもこうして思いを積み重ねて考えてみればみる程、改めて自分は嫉妬していることがわかってしまうのだ。

 じゃあ、わたしはあの黒い女の何に嫉妬しているというの、彼女より劣っているはずがない…
 指先の快感に揺らぎながら必死に思い返していく。
 
 あの脚か、いつも黒いストッキングを穿いているあの脚だ、同じ女のわたしから見ても美しい艶やかなあの黒いストッキング脚にわたしは嫉妬しているのか…

 そして今、わたしを弄りながらもフェチのいやらしい昂ぶった目をして見つめてくる彼を見て確信したことがある。

 そうか、わたしは黒い彼女のあの脚を見る部長のいやらしいフェチの目つきに嫉妬心を感じていたのか…

 しかし部長はただ会社内で黒い彼女を見ているだけであり何の関係も持ってはいない、それに恐らく話しをしたことさえもないはずである。
 そしてこの先だって何も起こるはずがないし、あり得ない。
 それなのにわたしは黒い女に嫉妬をし、彼がわたし以外の女を見る目に対して嫉妬心を感じてしまっているのだ。

 それはいつもわたしに向いているはずの部長のフェチ的な視線をわたし以外の女にも向けて見ているだけという、たったその位のことで嫉妬心を持ってしまう程、わたしは部長を、いや大原浩一という男を愛しているということなのだろうか。

 そうなのか、わたしはそんなに部長を愛していたのか…

 確かに彼のことは大切な男として想っているし、愛しているといえる、だが今までにこんな嫉妬心を持つという程に男を愛したことがなかった。

 だからよくわからないのだ…





 
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