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第11章 絡まるストッキング5　　　　　　和哉と健太

　27　嫉妬心

　要は、問題は、これからなのだ…

　だが、わたしはその事に関しては心配はしていなかったのである。

　なぜならば、既に健太を信用に値する男として認識していたからであったから…

　だけど…

　だけど…

　なんかザワザワする…


　あっ…

　そうなのか…

　わたしはあの電話の、見ず知らずの彼女に、彼女の存在に…

　嫉妬をしているのか…

　嫉妬心なのか…

　まさか…

　わたしはこの三日間で、いや、一昨夜に抱かれてから、そのくらい健太を好きになってしまっているのだろうか。

　だから嫉妬心なのか…

　そうなのか…

　なんか自分が信じられなかった。

　まさかまだ、そんな純情さ、純粋さが、このわたしにあったなんて…

　だから今日の、今朝からのザワザワ感なのか…

　さっきの無意識の腕組みなのか…

　わたしはこの嫉妬心に驚いてしまうのだ。
　


「あら、電話終わったの…」

　わたしはトイレから戻り、ボーッと考えてる風な健太にそう声を掛けた。
　その声に、この自分の顔から健太に内心抱いた嫉妬心を悟られないように意識をする。
　それはまだ、わたし達のこの段階での関係で、この電話の件での不信感を健太に伝える訳にはいかないからである。

「別にいいのに…」
　だが、思わずそう呟いてしまったのだ。

「すいませーん」
　わたしはその言葉を慌てて誤魔化す為にも、店員を呼ぶ。

「オレンジジュースください」
　そしてわたしはニコリとしながら健太を見た。

「寝不足気味だから、お酒は終わり…」
　微笑みながらそう言った。
　誤魔化しである。
　すると健太は不思議な顔をしてわたしを見てきたのだ。

「えー、なに、見てくるのよぉ…」
　その視線を感じたら、恥ずかしくなり、そうに呟いた。

「えっ、あ、いや…」
　すると健太は思い切った感じで訊いてきたのである。

　この電話で気分悪くなってないのか…
　怒ってはいないのか………と。