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胡蝶の夢
第1章  ピアノ 






「自分でしてごらん?指だけなら僕のを貸してあげる」



彼女の中に差し入れた中指と人差し指、そこに添える様にして薬指を捩じ込んだ。



「くっ…、はぁぁぁん」



両手を縛られ使えない彼女のために、中に指を引っ掛ける様にして腰を引き上げてやる。



「しっかり自分で腰を振りなよ。惨めったらしく自分で動いてイってごらん…、許可をあげるよ」



のろのろと彼女が動き出す。


華奢な身体が、温かい肉壁が、ヒクヒクしながら指を根元まで呑み込んでいく。



「ああぁっ、ああっ」



羞恥に震える声。


奥を抉ると長い漆黒の髪が跳ね上がり、彼女の動きに合わせて揺れた。


一層呼吸が荒くなっているのが分かる。



「ねぇ、今、どんなか自分で実況しなよ」



言葉に応える様に中がきゅうきゅう締まる。



「は…はいぃっ、私の中に瑞貴【たまき】様の指が……、ああっん」



呼ばれてハッとする。


そういえば久しく本当の名前を呼ばれていなかった。







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