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胡蝶の夢
第6章 腐蝕
それとも?
復讐意外に理由は無いはずだ。
それなのに何だろう?
この心の端をくすぐられる様な居心地の悪さは…。
キモチガワルイ。
「貴方は鏡…」
彼女の震えた声が僕に言う。
「鏡…?」
「貴方は私を映す鏡…。私は貴方の中でだけ存在できる」
存在という言葉の意味が曖昧になっていく。
姿形の有無さえも存在の定義に無い。
彼女には僕はどう見えているのだろう?
どんな僕を指し示して鏡の様だと言うのだろう?
「君は僕に何を求める?」
ここに生まれる相互関係は何だ?
僕が思ったよりも彼女はしたたかなようだ。
利用されたふりをして、利用しようとする。
歩み寄ったつもりが歩み寄られている。
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