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胡蝶の夢
第8章  夢 






「はぁっ……んっ…」



息継ぐ暇がない。


黒崎はどこを見ているのだろう?


どこか遠く通り越して過去のどこかに身を置いているのだろうか?


僕の目の前にいるのに、僕を見ていない。


そんな気がした。



「二度とあいつの名前なんて呼べない様にしてやる」



「んぅっ……」



真っ白になる。


なにもかもどうだってよく思えるような高揚感。


麻痺した回路が思考を止めて、与えられる快感をすみまで貪る。



「だってそうだろう、どの面であいつを呼ぶと言うんだ?」



黒崎が僕の顔を掴んだ。



「この媚びた顔でか……?」



ぐんと突き上げた腰が僕の中を深く侵した。












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