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胡蝶の夢
第8章  夢 





ぐんと黒崎がまた奥を挿す。


もう昔の話は終わりだと無言で告げていた。



「っふ……んんっ…」



太い楔が見たはずの夢を奪っていく。


そしてすぐに快感と罪悪感に塗り込められた。


やっぱりおかしい。


僕とこいつがこんな事をするのは…。



「っく……」



黒崎が低く声を漏らした。


いつも余裕のある薄ら笑いの黒崎が初めて弱い部分を見せた。


今だとばかりに力を入れて中で締め上げてやる。


くびり切ってやるくらいの気持ちだった。



「…っき…さま……」



僕の思いを察してか恨めしそうに黒崎が呻いた。


なんだろう?


こいつこんなだっただろうか?


態度も何もかも、今日の黒崎は余裕がない。


ぐちと僕の前を握った手が動いた。


余裕が無いのは僕も同じだ。









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