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胡蝶の夢
第4章 檻
勢い良く起き上がった。
ベットに寝てじっとなんてしていたくない。
どうにかして、ここから逃げ出すんだ。
僕が逃亡した事による家への制裁なんて、もうどうでもいい。
一刻も早くここから出ないと…。
両の足を床に踏みしめた時、自分の中で何かが蠢いた。
ぐりゅっ
ただで綺麗に汚れを流し、髪をとかし、身体を乾かしてふかふかのベッドに横たえる。
そんな事してもらえるはずが無かった。
おそるおそる手を持っていくと、丸い何かがそこにある。
くちゅっ…
引き抜こうと掴むともの凄い異物感が襲った。
一気に引き抜く。
ずりゅっ……ぐぷぐぷ……
「ふぁっ…」
力無く膝が折れ、膝蓋から床に崩れ落ちた。
なんだ今の?
引き抜いた数珠繋ぎのものを投げ捨てた。
なんだ今の?
一瞬、痛みじゃないものが走った。
気持ちが良くて力が抜けた。
嘘だ…。
「嘘だぁっ……」
このままじゃ駄目だ。
シーツを引き裂き、身体に巻き付けた。
一刻も早くここから逃げ出さなければ…。
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