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胡蝶の夢
第6章 腐蝕
「貴様は男娼か?入れられたいなんて…」
「うっ…、あっあっ…はや…く」
僕はお前に抱かれる。
抱かれてやる。
今だけは優越に浸らせてやる。
いつか後悔しろ。
今日のこの日を…。
黒崎は軽々と僕の身体を抱き上げた。
手首の激痛が熱に変わっていく。
キリキリと滑車の音がして、足の着く高さまで鎖が下りてきた。
地面に足がつくことがこんなに恋しいとは思わなかった。
黒崎の腕の中からおそるおそる床の上に足を置く。
シャラン…
立ち上がろうとしただけなのに、バランスを崩して前のめりに倒れた。
胸の高さ位まで下ろされた鎖の位置で辛うじて鎖に頼っている状態だった。
膝がガクガクして力が入らない。
「んっ…」
腰に手が添えられた。
相も変わらず冷たい手。
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