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胡蝶の夢
第6章 腐蝕
「っは、はぁっ…」
弱い自分なんて要らない。
もっと強くあれ。
「いたいっ、痛いよ…」
涙を浮かべて黒崎を見上げる。
「助けて…、もう許して…」
「ふんっ、許して…か」
満足そうな笑みを浮かべる黒崎に哀願して見せる。
弱いものを支配するのはそんなに楽しいか?
悪趣味な奴め。
結果さえどうせ変わらないのなら、それさえも利用してやる。
「お願い…します…」
弱くて憐れな奴隷を演じてやる。
「ねぇ…、入れ…て…」
どうせ出口の無い檻の中なら、檻の中の支配者はこの僕だ…。
沈むのならとことん深淵の底まで。
僕を選択するのは僕だ。
これからどうするのも僕が決める。
掌の上で踊るのは僕じゃない。
お前だ…。
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