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胡蝶の夢
第6章 腐蝕
カタカタと震えだした彼女を見て僕は満足した。
肌への刺激を敏感に感じ取るのは人間。
恐怖は生きようとする者の感情だ。
彼女が人形から人へとなる過程を僕は確かに見た。
隠せずに熱い吐息が洩れ、瞳を潤ませるのを。
ぱっくりと開いた皮膚と肉の割れ目を舌先でなぞると、痛みからか彼女の顔が途端に歪んだ。
「んっ……」
声が艶かしいと感じるのは僕の感性なのか、彼女の感性なのか?
わからなくなる。
「痛い……?」
顔を真っ赤に染めてコクリと頷く彼女を見て僕は笑った。
「へぇ、痛いんだ…」
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