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それが運命の恋ならば
第10章 その薔薇の名前は 〜night rosegarden〜
「…待って…。お願い…」
夜の寝室、千晴の広い寝台の上…。
真珠色の絹のキャミソール姿で、紫織が消え入りそうに声を上げた。
名残惜しげにキスを繰り返す千晴の腕を掴み、紫織が不安げに、長い睫毛越しに見上げる。
「何?どうしたの?」
優しく、尋ねながらもう一度、甘えるようにキスをねだる。
「…んっ…」
紫織が切なげにキスに応えながら、苦しげに口唇を離し、俯いた。
「…私…もう四十をとうに過ぎたのよ…」
小さな声で、ぽつりと呟く。
なんだ、そんなことかというように、千晴は破顔する。
「知ってるよ。
紫織さんは僕より10歳歳上だ」
無邪気な答えに、紫織は小娘のように華奢な身体を縮める。
「…貴方の周りにいる若いお嬢さんのように瑞々しくも初々しくもないのよ…。
…この肌を…貴方の前に晒す勇気が、持てないの…」
小さく身体を丸め、膝を抱えるその姿はまるで幼気な少女のようだ。
…優美に結い上げていた艶やかな黒髪は、透き通るように白い背中に広がり、息を呑むような妖艶な美しさだ。
千晴は吐息混じりに笑みを漏らす。
「…貴女はこんなにも美しいのに…何を恐れるの…?」
長く逞しい腕で、紫織を安心させるようにゆっくりと抱き上げた。
…そうして、子どもを甘やかすように膝に乗せ、その白く小さな美しい貌を覗き込む。
「…紫織さん…。
僕に貴女のお貌をよく見せて…」
夜の寝室、千晴の広い寝台の上…。
真珠色の絹のキャミソール姿で、紫織が消え入りそうに声を上げた。
名残惜しげにキスを繰り返す千晴の腕を掴み、紫織が不安げに、長い睫毛越しに見上げる。
「何?どうしたの?」
優しく、尋ねながらもう一度、甘えるようにキスをねだる。
「…んっ…」
紫織が切なげにキスに応えながら、苦しげに口唇を離し、俯いた。
「…私…もう四十をとうに過ぎたのよ…」
小さな声で、ぽつりと呟く。
なんだ、そんなことかというように、千晴は破顔する。
「知ってるよ。
紫織さんは僕より10歳歳上だ」
無邪気な答えに、紫織は小娘のように華奢な身体を縮める。
「…貴方の周りにいる若いお嬢さんのように瑞々しくも初々しくもないのよ…。
…この肌を…貴方の前に晒す勇気が、持てないの…」
小さく身体を丸め、膝を抱えるその姿はまるで幼気な少女のようだ。
…優美に結い上げていた艶やかな黒髪は、透き通るように白い背中に広がり、息を呑むような妖艶な美しさだ。
千晴は吐息混じりに笑みを漏らす。
「…貴女はこんなにも美しいのに…何を恐れるの…?」
長く逞しい腕で、紫織を安心させるようにゆっくりと抱き上げた。
…そうして、子どもを甘やかすように膝に乗せ、その白く小さな美しい貌を覗き込む。
「…紫織さん…。
僕に貴女のお貌をよく見せて…」