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それが運命の恋ならば
第11章 ふたつの月
離れにある浴室で、凪子は静かに風呂を使う。
…各家庭で源泉を引いているというこの辺りの風呂は、24時間天然温泉に入ることができるのだそうだ。
李人の精に塗れた身体と髪を丁寧に洗い、ゆっくりと湯船に浸かる。

…窓からは、青白く光る満月が見えた。

やがてほっとした気持ちのまま、夜着を纏い、湯上がりの火照りを鎮めるために庭に出た。
月明かりを頼りに、敷石を踏み締める。
まだ湿った長い髪を、夜風がさらさらと揺らした。

深い闇の中、ふわりと漂う甘い薫りはサマースノーだろうか。
夜目にも白く可憐で美しいその花に、引き寄せられるように、凪子は歩き出した。

…不意に、葉擦れの音が響き、凪子は足を止め身を硬くした。

「…奥様…」
暗闇から密やかに聴こえてきたのは…

「…禅さん…!」

…雲が晴れ、月の光は男の凛々しくも、どこか陰のある貌を静かに照らした。


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