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それが運命の恋ならば
第11章 ふたつの月
凪子は息を呑み、涙をはらはらと溢した。
そうして、椅子から立ち上がり、禅の隣に正座した。

「…いいえ…いいえ…。
無理強いではありません…。
私は…自分の意思で、禅さんを愛していると言いました…。
…愛しています…禅さんを…」

「奥様…!」
禅が悲痛な悲鳴のように呻いた。

「…どうか…お許しください…」
啜り哭く凪子の前に、李人はゆっくりと近づき、片膝を着いて座る。

「…私のことは…?愛していないの?」
…飽くまでも優しい、穏やかな声だった。

凪子は、髪が乱れるほどに必死に首を振った。

「愛しています!愛しています!
李人様を…!
李人様も、禅さんも…どちらも愛しています…!
だから、どうしたら良いか分からないのです…!」

…そうだ。
どちらも愛している。
李人も、禅も…。
最初から、凪子は二人に惹きつけられ、魅せられた。
身も心も、虜にされた。
どちらも愛しているから、どちらも選べない。
けれど、そんなこと、許される筈がない。

李人がふわりと微笑んだ。
…まるで、凪子の心のうちを、魔法のように読み取ったかのように…

「…どちらかを、選ぶ必要があるのかな?」

凪子は涙に濡れた大きな瞳を見開き、李人を見上げた。
「…李人…様…?」
李人のひんやりとした美しい手が、優しく凪子の白い頬に触れた。

「…どちらの手も取れば良いのだよ。凪子。
…なぜなら、私たちは君に同じ愛を捧げられるのだから…」

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