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それが運命の恋ならば
第2章 初夜
「…私の…父親…?」
孤児だと信じていたから、いきなり父親と言われても実感がない。
…一体、李人様は何を言われるのだろうか…。
漠然とした…けれど、不吉な予感が胸を過ぎる。

「…そう。
貴女の父親、高遠泰彦氏です」
そう言うと、李人は凪子を褥に無造作に突き飛ばした。

「…あっ…!」
そのまま褥に倒れ込む。
李人は凪子の前に跪き、凪子の白く形の良い顎を持ち上げた。

その表情の余りの冷たさに、息を呑む。
それは、果てしない怒りを秘めた氷のような表情だったのだ。

感情を押し殺した声で、李人は告げた。


「貴女の父親、高遠泰彦は最低の人間だった。
鬼畜にも劣る下劣な人間だった。
私の母を…無理矢理凌辱したのですから」




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