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第3章 愛と哀しみの夜明け

「…禅…さ…」
「旦那様に身を任せるのです。
…そう…お力を抜いて…」
温かな吐息が口唇にかかり、凪子の緊張が微かに和らいだ。

「…ああ…っ…んん…っ…」
李人の抽送に身体を激しく揺すぶられ、呻く。
立ったまま、しかもあまり馴らさずにの挿入はまだ性体験の浅い凪子には負担が重すぎた。
禅が優しく囁いた。
「…力を抜いて…。
私に捕まってください。
…旦那様の…を受け入れるのです…」
図らずも禅の肉惑的な唇から、淫らな言葉が囁かれ、ぞくりと背筋に甘い旋律が走った。

「…ああ…」
凪子は震える白い手を差し伸べ、禅の逞しい肩に縋った。
ブロンズ色の引き締まった太い腕が、凪子の上半身を恭しく抱き留める。
…さながら、愛し合う恋人のように…。