この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法


 あれこれ言葉を選んでいるようにも見える志乃は、あさひにまだ何か隠しているかも知れない。

 ただ、あさひは初めて反撥を決めた。
 
 佳子の館では、人間としての尊厳も権利もなかった。
 生きていながら生かされていただけのあさひは、それでも彩月にいだいた想いに、刷り込まれた意思はない。永遠に愛されなくても構わなかった。彼女の言葉がうわべだったとしても、あさひのそれは今でも変わらない。


「受験が終わるまで、なんて、待てません。ごめんなさい」

「あさひちゃん……」


 志乃の話と佳子の気性を照らし合わせれば、二ヶ月待っては遅いかも知れない。

 杞憂であれば良い。

 ただ、佳子はあさひを道連れにして、彼女自身も壊れかけていた。

 いや、佳子がどうなっていようと関係ない。あさひは、彩月に会いたい。会えない日々が重なるほど、これは禁断症状だ。


「やっと、あさひちゃんがやりたいこと言ってくれた」

「えっ……」


 花の綻ぶような志乃の反応に、あさひは気の抜けたような声が出た。


「あさひちゃんがそこまではっきり言ってくるなんて、レアだなぁ。録音しておけば良かった。叔母さん嬉しいっ」

「あっ……わっ」

「この美貌で、しっかり口説き落としておいで。もし泣くことになったら、フォトジェニックで超高級なスイーツビュッフェに行って、私と発散しよう」


 あさひを腕に収めた志乃の胸が、窒息の危機まで及ぼしてくる。隙間を見つけては呼吸を確保している内にも、それとは別に、あさひの動機は徐々に激しさを増す。

 スイーツビュッフェに行く未来しか目に浮かばない。

 だが泣きながら帰ってきたとしても、志乃がいる。
/372ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ