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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法


「でも、苦しいのも寂しいのも、私が彩月さんを好きだからです。これだけ好きになれたから、こんな気持ちも味わえました。私が愛を知れた証です。佳子様に嫌われたのも、私が彩月さんを好きになったからだと思うと……いつでも、私は愛に包まれています」

「一時の感情で、そういうこと言っちゃいけない。美影に、あたしも何度怒られたか。ここにいれば、今日みたいなことがずっと続くよ。小松原さんがあさひに飽きるまで」

「です、よね。彩月さんが私を好きって言ってくれたのは、きっとそういうことで……。一度でも嬉しかったです。これからは身のほどをわきまえて、片想いだけさせて下さい」

「そういうことじゃなくて……」


 扉が開いた。

 廊下の明かりが客室を照らすと、そこに佳子の歩いてくるのが見えた。


 佳子が、流れるように檻に入った。


「本当に電話してくるなんて」

「私が佳子様のものになって、彩月さんが自由になるなら、……」

「約束は守るわ。本当は貴女が私に要求する権利もないけれど、一億五千万を受け取ったのは貴女のおばあさんなのだし、元々、今の状態では理に適っていなかったのよ」



 その通りだ。

 あさひは佳子に寝巻きを着せられながら、この半年間のことを聞かされた。
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