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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法



 佳子との関係に名を付けるなら、何になるか。

 彼女が小松原家を憎むほど、彩月は実母の生家を意識していない。
 少女のように喘いだあと、彼女は時折、発作的な優越感に酔い痺れる。彼女という妹の存在を初めからなかったものとしている姉の孫娘を所有して、愛させることも従わせることも意のままだと実感すると、脚と脚の間がまた湿りを帯びるという。

 そんな彼女の望む場所に、彩月は触れて、キスを施す。

 彩月の知らない瑕疵の散らばる佳子の身体が、それでも綺麗に見えるのは、彼女のかつての所有者が、稚拙なりにも彼女に耽溺していたからか。彩月が求めて得られなかったものが、そこにはある。


 …──貴女も、同じになるわ。


 佳子が美影に鞭を振るわせるのは、彼女が加虐に慣れていないからだ。加えて、窃視性愛という彼女の嗜好が満たされるほど、彩月も仕事上の年長者でしかなかった女から得る痛覚に、のめり込んだ。昼間、鎮痛剤が手離せないのは、とるに足りない問題だ。陽音の感触が消えていく。


 佳子が彩月を対等に愛する日など訪れないのに。
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