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秘匿の闇市〜Midnight〜
第1章 愛玩少女の製造法


 育江の美しさは、孫のあさひから見ても確かだった。と同時に、幼少期から彼女に従ってきたあさひの容姿も、同世代の子供達を始めその保護者ら、時には教師からも称賛を受けるようになっていたため、育江を疑う余地はなかった。

 実際、あさひの人形めいた顔かたちは各パーツが優れており、それらの配置は嫌味のない、主張しすぎない見事な印象を第三者に残すもので、眉が隠れる位置に切り揃えた前髪が、清らなあどけなさを残しながらも、妖しい色香を引き立てていた。豊かでつやらかな黒髪は、いつも花の香りをまとう。大人の手のひらに従順に収まり、それでいてはちきれんばかりに実った肉の丘陵はきっと指の隙間をこぼれるくらいのボリュームはあって、そこまでたわわなものを支える肩は折れそうに細く、内臓の有無が疑わしくなるほどほっそりとした胴は、特に腰がきゅっとくびれて、突き出した尻は、しょっちゅう満員電車で疲労困憊した会社員達の慰みになっていた。

 もっとも、名前も知らない中年男の手がスカートの中に忍んできても、あさひは恥ずかしげに顔をしかめて、涙ぐんでみせるだけだ。尻を触る手が内股にまで滑り込み、息を荒くした男が股間を尾てい骨にすりつけでもしようものなら、身をよじってため息を漏らす。肉体に無言の賞賛を受けた時、そのように振る舞うのが正解だと、育江に教えられていたからだ。
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