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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第2章 アバンチュール
その足でシャネルに向かった私は、
夜のオープニングパーティー用のリトルブラックドレスと靴とバッグを買った。

それと手土産にと、
シャンパンやワインにも合わせられるソルティーなお味のクッキーを選んだ。


帰宅してシャワーを浴びて、
念入りに身体を磨いて、
ボディークリームを塗って、
下着をつける。
ヴィクトリアシークレットで揃えたセクシーなものを身につけると、ワクワクした気持ちになる。

丁寧にお化粧もする。
地味でお雛様みたいな顔も、
アジアンビューティーな雰囲気には、なれる。

そして、ドレスを着る。

服とのバランスを見ながら、
髪を夜会巻に纏めて、美しい珊瑚と真珠のついた簪で留める。


12センチのピンヒールを履いたら、
気持ちが晴れやかになってきた。


付箋に、
「パーティーに行って来ます。
今夜は帰らないかもしれません」と書き残して、
小振りなバッグと手土産を手に家を出た。




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