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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第4章 貴方は私だけのモノ
病院の特別室で目が覚めた。
個室で豪奢な家具等を置いているVIP用の部屋。

部屋の片隅に座っていたばあやが気付いて、
ナースコールのボタンを押したようで、
和仁さんと看護婦がやって来た。



「梨香子さん、どうしたの?
眠れなくて薬、飲み過ぎちゃったのかな?」と、
静かに言われて、
私は枕を投げつけようとしたけど、
身体が思うように動かなかった。


脈を取られたり、
目を確認されたりした後、

「もう少し、休んでると良いよ」
と言って、和仁さんと看護婦は部屋を出て行ってしまった。


私は何も考えられず、
涙を流した。


「私…家に帰りたい」とようやく言葉を絞り出したけど、

「まあまあ、お嬢様。
もう少しこちらにいらした方が…」とばあやに言われる。


「岳人さんは?」


「学校にいらしてます。
今日からお一人で行くと仰って…」


「そう…」


私はすることが無くなっていくような気持ちになり、
更に哀しくなってしまって泣いた。





1週間ほどして退院した。

岳人さんは1週間でまた大きくなったように感じた。
そして、更に無口になってしまっていた。


週明けからは、登下校についていくと言うと、

「1人で行ける。
みんなもう、1人で登下校してるよ?
僕だけで、笑われてたんだ」と、
ぶっきらぼうに言われてしまう。


「お風呂だって…
1人で入れるから!」と重ねて言われて、
私は震えてしまった。


和仁さんも、
「そうだよな?
僕も岳人くらいの時は1人でやってたよ。
いつまでもママと一緒じゃ、
確かに友達に笑われるよ」と言う。


私は、主寝室に入って、
ベッドに潜り込んで泣いた。



私はもう、
必要ないってことなの?

そんなの、嫌よ。


岳人さんは私のものよ?

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