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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第6章 安息の地

最後の入学試験が終わった翌日から、
運転免許を取りに行った。
そして、黒田先生が亡くなり、
抜け殻のようになった麻衣子さんと一緒に札幌に転居した。
黒田先生の使っていた車と一緒に、
フェリーでの移動にした。
出発の日、父と母が見送りに来てくれた。
小林くんも一緒だった。
「ご旅行なのかしら?
お気をつけて?
あら?
こちらのお嬢様、どうされたのかしら?
大丈夫?
元気を出してね?」と、
母は麻衣子さんの手を握ってからハグしたので、
びっくりしてしまった。
そして、
「そうだわ。
この指輪、デザインが私には若過ぎるからあげる。
お守りになると良いわね?」と言いながら、
クスクス笑いながら自分の右手の薬指に嵌めていた水色の石がついた指輪を、
麻衣子さんの右手の薬指にそっと嵌めた。
「サイズ、良さそうね?
あら、左手には…インペリアルトパーズかしら?
綺麗な色でお似合いよ?
婚約指輪なのかしら?
この石もね、トパーズよ?
ブルートパーズなの」と言って嬉しそうに笑った。
「貴方は…たけひとさんだったわね?
うちの息子と同じお名前の…。
また、遊びにいらしてね?
なんだか、うちの息子と良く似てるみたい。
大きくなったら、そんな風になるのかしら?」と、
小首を傾げて僕の顔を見る。
父は、
「学会で札幌に行く時は連絡するよ。
友人があっちで教授してるしな。
何かあったらすぐに連絡しなさい。
麻衣子さん、しっかり守ってあげなさい」と言って、
僕のことをハグして、背中をポンポンと叩いた。
「和仁さん…。
この人、岳人さんなの?」と、
母が突然震えた声を出す。
「そうだな。
同じ名前だね?」と優しい声で言うと、
父は母を抱き締めた。
「和仁さん、
私、もうお家に帰りたいわ?
和仁さんとゆっくり過ごしたいの」と母は甘えるように父に言っていた。
僕のことは忘れてしまっているけど、
父と母の関係はとても良好なようだった。
運転免許を取りに行った。
そして、黒田先生が亡くなり、
抜け殻のようになった麻衣子さんと一緒に札幌に転居した。
黒田先生の使っていた車と一緒に、
フェリーでの移動にした。
出発の日、父と母が見送りに来てくれた。
小林くんも一緒だった。
「ご旅行なのかしら?
お気をつけて?
あら?
こちらのお嬢様、どうされたのかしら?
大丈夫?
元気を出してね?」と、
母は麻衣子さんの手を握ってからハグしたので、
びっくりしてしまった。
そして、
「そうだわ。
この指輪、デザインが私には若過ぎるからあげる。
お守りになると良いわね?」と言いながら、
クスクス笑いながら自分の右手の薬指に嵌めていた水色の石がついた指輪を、
麻衣子さんの右手の薬指にそっと嵌めた。
「サイズ、良さそうね?
あら、左手には…インペリアルトパーズかしら?
綺麗な色でお似合いよ?
婚約指輪なのかしら?
この石もね、トパーズよ?
ブルートパーズなの」と言って嬉しそうに笑った。
「貴方は…たけひとさんだったわね?
うちの息子と同じお名前の…。
また、遊びにいらしてね?
なんだか、うちの息子と良く似てるみたい。
大きくなったら、そんな風になるのかしら?」と、
小首を傾げて僕の顔を見る。
父は、
「学会で札幌に行く時は連絡するよ。
友人があっちで教授してるしな。
何かあったらすぐに連絡しなさい。
麻衣子さん、しっかり守ってあげなさい」と言って、
僕のことをハグして、背中をポンポンと叩いた。
「和仁さん…。
この人、岳人さんなの?」と、
母が突然震えた声を出す。
「そうだな。
同じ名前だね?」と優しい声で言うと、
父は母を抱き締めた。
「和仁さん、
私、もうお家に帰りたいわ?
和仁さんとゆっくり過ごしたいの」と母は甘えるように父に言っていた。
僕のことは忘れてしまっているけど、
父と母の関係はとても良好なようだった。

