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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第1章 結婚生活

新婚旅行は、ありきたりだったけどハワイだった。
のんびり過ごしたいと和仁さんが言っていたし、
私は別に旅行ならいつでも何処でも行けるだろうと思っていたから、
こだわりはなかった。
買い物やビーチで過ごす以外は、
ずっとセックスして過ごした。
部屋のベッドや浴室だけでなく、
夜のプライベートビーチやベランダでも、
スリリングな気持ちをスパイスにして、
何度も交わった。
それは日本に帰ってからも同じで、
避妊もせず、
何度も何度もセックスした。
大学病院の他に、父の病院に勤務するようになった彼と、
自宅だけではなく、
病院の鍵を閉めた診察室や、
父が不在の時の院長室でこっそりセックスすることもあった。
車の中で、
彼の股間に顔を埋めて舐めることもあったし、
車のシートを倒して、
彼に跨ることもあった。
誰かに見られるかもと思っただけで、
いつも以上に興奮して、
あっという間に何度もイッてしまった。
ただ、避妊もしていないのに、
残念ながらなかなか妊娠しなかった。
まだ若かったし、
さほどそのことについては深刻に考えてはいなかった。
そして、セックスしている時以外の和仁さんは、
真面目で話も合わない。
仕事ばかりで、私と会話を楽しむこともなかった。
結婚を機に住み始めたマンションに1人で居ると、
閉じ込められてしまったように息が詰まる気がして、
フラフラと銀座に出掛けては買い物をした。
エステにいって身体を磨いて貰って、
ネイルを変えて、
美容室でヘッドスパをしては髪型を変えたりもした。
それでも、気持ちが満たされない。
和仁さんは、
新しい服を着ようが、
髪を切ろうが、
多分気がつくこともない。
滑らかで吸い付くような白い肌の為に、
どれだけ磨いて貰ってるのかも知らない。
好き
愛してる
そんな言葉も掛けてはくれない。
お金をかけて綺麗に見えるようにしているけど、
一重瞼で冴えない顔をしていることは自分でも判っていた。
彼の周りには可愛い人や本当に綺麗な人がたくさん居るのも知っている。
和仁さんは…
私のことが好きで結婚した訳ではない。
大病院の一人娘で、
将来ここを継げるから、
私と嫌々結婚したんだ。
私の中に、
少しずつ不満のような気持ちが埃のように溜まっていった。
のんびり過ごしたいと和仁さんが言っていたし、
私は別に旅行ならいつでも何処でも行けるだろうと思っていたから、
こだわりはなかった。
買い物やビーチで過ごす以外は、
ずっとセックスして過ごした。
部屋のベッドや浴室だけでなく、
夜のプライベートビーチやベランダでも、
スリリングな気持ちをスパイスにして、
何度も交わった。
それは日本に帰ってからも同じで、
避妊もせず、
何度も何度もセックスした。
大学病院の他に、父の病院に勤務するようになった彼と、
自宅だけではなく、
病院の鍵を閉めた診察室や、
父が不在の時の院長室でこっそりセックスすることもあった。
車の中で、
彼の股間に顔を埋めて舐めることもあったし、
車のシートを倒して、
彼に跨ることもあった。
誰かに見られるかもと思っただけで、
いつも以上に興奮して、
あっという間に何度もイッてしまった。
ただ、避妊もしていないのに、
残念ながらなかなか妊娠しなかった。
まだ若かったし、
さほどそのことについては深刻に考えてはいなかった。
そして、セックスしている時以外の和仁さんは、
真面目で話も合わない。
仕事ばかりで、私と会話を楽しむこともなかった。
結婚を機に住み始めたマンションに1人で居ると、
閉じ込められてしまったように息が詰まる気がして、
フラフラと銀座に出掛けては買い物をした。
エステにいって身体を磨いて貰って、
ネイルを変えて、
美容室でヘッドスパをしては髪型を変えたりもした。
それでも、気持ちが満たされない。
和仁さんは、
新しい服を着ようが、
髪を切ろうが、
多分気がつくこともない。
滑らかで吸い付くような白い肌の為に、
どれだけ磨いて貰ってるのかも知らない。
好き
愛してる
そんな言葉も掛けてはくれない。
お金をかけて綺麗に見えるようにしているけど、
一重瞼で冴えない顔をしていることは自分でも判っていた。
彼の周りには可愛い人や本当に綺麗な人がたくさん居るのも知っている。
和仁さんは…
私のことが好きで結婚した訳ではない。
大病院の一人娘で、
将来ここを継げるから、
私と嫌々結婚したんだ。
私の中に、
少しずつ不満のような気持ちが埃のように溜まっていった。

