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虐げられた新妻~秘密の書斎~
第2章 婚約
プロポーズされた瞬間、
自分でもこんなに純情な部分があったのかと
驚くほど涙が溢れでたのです。
そして「はい」と一言だけ答えると
美代子は有人に抱きついて
自分からキスを求めたのです。
今まで生きてきた中で
これ程までに
体と心を蕩けさせるキスはありませんでした。
「じゃあ、リングを受け取ってくれるかい?」
唇を離して見つめ合うと
有人は顔を真っ赤にしてそう言いました。
返事の言葉は必要ありません。
美代子は黙って頷くと
左手を有人に差し出しました。
有人は震える指でケースからリングを抜き取ると
プルプル震える指でエンゲージリングを
美代子の薬指に嵌めたのでした。
。。。。。。。。。。。
その後は慌ただしい時間が二人に流れました。
両家への挨拶…
付き合っていたのは
それぞれの両親も知っていたので
「あら?とうとう結婚を決めたのね
それは良かったわ」と
まるでお決まりのようなセリフを
言われたのが少し可笑しかった。
でも、有人ったら
うちに挨拶に来たときは緊張しまくって
「おりょうさんをお嫁にくらはい」なんて
呂律が回っていなくて
美代子と母は吹き出しそうになったのに
美代子の父といえば
口元を「への字」にして
鬼瓦のような顔をしていました。