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虐げられた新妻~秘密の書斎~
第10章 操り人形

いくら中年のオヤジとはいえ、
男二人を相手にするには分が悪い。

「美代子!逃げるぞ」
洋介は美代子の手を引いて
脱衣場の服を脱衣かごのまま抱き抱えると
車に飛び乗った。

「おいこら!待て!!」
追いすがる二人の男から逃れるように
洋介と美代子は素っ裸のまま車を急発進させた。

「どうやら追って来ないみたいだな」
バックミラーを確認して
ようやく洋介は車を安全な速度に落とした。

美代子も落ち着いてきたのか
抱きかかえている脱衣かごから
ショーツを手にして
狭い助手席で苦心しながら履き始めた。

ブラジャーも身につけて
隠すべき所を隠してから
美代子はポツリと
「理由(わけ)を話してちょうだい」と正面を見据えたまま洋介に問いただした。

ここが潮時か…

洋介は路肩に車を停めてパンツを履いた。
「ここは交通量も少ないから外に出て服を着よう」
下着だけの姿で帰れるわけもないので
まずは着衣をちゃんとしようと提案した。

「私、あの人たちに犯されるところだったわ」

「悪かった」

「そんな私を見てあなたは興奮して
勃起してたわよね」

「それも悪かった」

「謝る前に言うべき事があるでしょ?
これは仕組んだ事よね?」

美代子は初めて洋介を咎めてキッと睨んだ。

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