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虐げられた新妻~秘密の書斎~
第4章 新婚旅行

結婚式が終わって慌ただしく
二人は特急列車に飛び乗った。

都内の喧騒を忘れて
一刻も早く落ち着いた温泉旅館で
のんびりしたかったからだ。

それに日程的にも
かなりタイトであったのも理由の一つだった。

会社からは「ゆっくりとしていいぞ」と
配慮の言葉を頂いたが
愛弓の件で無理を聞いてもらったし、
そう長期休暇をいただくのも気が引けた。


「ようやく二人っきりになれたね」
隣の席から有人が手を差し出してきた。
その手を握り返して
「やっと新妻になれた気がするわ」と
美代子は照れながら微笑んだ。

「今夜は二人で温泉に浸かろうな」
混浴施設もあったが、
今夜は貸し切り風呂を予約してあった。
ラブホテルなどで何度も一緒に入浴していたが
やはり温泉となると雰囲気も違うだろうし
美代子もワクワクしていた。

「洗いっこしましょうね」
美代子がそう提案すると
「ああ、体の隅々まで洗ってやるよ」と
有人はスケベそうな顔でそういった。

「隅々までだなんて…」
想像して美代子は顔を真っ赤にした。

常夏のハワイも棄てがたかったけど
温泉を選んでよかったと
美代子は二泊三日の短期間の新婚旅行を
おもいっきり楽しむことにした。

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