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虐げられた新妻~秘密の書斎~
第6章 不倫する女

「どうやら僕たち、あぶれちゃったみたいですよ」
洋介の言葉にハッとして香織の方を見ると
香織は中年のオヤジに肩を抱かれて
会場を出ていくところだった。

「香織!」
大声で呼び止めたが
当の香織は美代子にバイバイと手を振った。
「え~!?そんなあ…」
それじゃあ、私も帰りますと立ち上がろうとしたら
洋介に手を握られた。
「えっ?」
「夜までは時間がありますよ
旦那さんが帰宅するまでに
家に帰ればいいんでしょ?」
私が既婚者だとどうしてわかったんですか?と問いかけると
「リング…こういう所で男を探すんなら
薬指のリングは外しておかないとね」と忠告された。

「あっ…」
迂闊だった。
でも、リングがあったから、
どの男性も少しお話をしただけでそそくさと去ったのかと納得した。
「あなたは人妻でも関係ないのかしら?」
人妻とバレたからには取り繕うこともないので
美代子は落ち着いて話し始めた。
「人妻と言えども一人の女性ですからね
羽目を外さないようにこうして異性と会話するぐらい許されると思いますよ」
確かに洋介の言うとおりだわと美代子は思った。
「そうよね、別に浮気するわけでもないんだし」
美代子がそう言うと
「浮気、してもいいんじゃないかな」と
洋介は美代子の肩を抱いてきた。


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