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大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第2章 サラサとレイ
最近はサラサの姿を見つけると、気づかないふりをして通り過ぎる。もちろん、煩い自慢話もしてこない。
静かになったのは良かったが、手のひらを返したような態度に何故か腹が立った。
(それなのに、彼と夫婦になったなんて……)
そう思った時、
「ま、待て! 親父!」
扉が開くと同時に、部屋に半分突き飛ばされる形で茶色い髪の青年が転がって来た。
レイ・ヒルトンだ。
彼は慌てて身体を起こし扉に駆け寄ったが、無情にも閉じられた後。
サラサの耳に、魔法による施錠音が聞こえる。
恐らく花婿が部屋にやって来たことによって、一定の条件を満たさなければ扉が開かない魔法が発動したのだろう。
レイには、扉にかけられた魔法が見えていないらしい。
剣術部に所属し、何度も大きな大会で優勝している鍛えられた腕で力一杯閉じられた扉を叩いている。
「その扉には、お婆様の魔法がかかっているわ。あなたの馬鹿力でも、開けることは不可能よ」
「あっ?」
低い声でレイが振り向く。
静かになったのは良かったが、手のひらを返したような態度に何故か腹が立った。
(それなのに、彼と夫婦になったなんて……)
そう思った時、
「ま、待て! 親父!」
扉が開くと同時に、部屋に半分突き飛ばされる形で茶色い髪の青年が転がって来た。
レイ・ヒルトンだ。
彼は慌てて身体を起こし扉に駆け寄ったが、無情にも閉じられた後。
サラサの耳に、魔法による施錠音が聞こえる。
恐らく花婿が部屋にやって来たことによって、一定の条件を満たさなければ扉が開かない魔法が発動したのだろう。
レイには、扉にかけられた魔法が見えていないらしい。
剣術部に所属し、何度も大きな大会で優勝している鍛えられた腕で力一杯閉じられた扉を叩いている。
「その扉には、お婆様の魔法がかかっているわ。あなたの馬鹿力でも、開けることは不可能よ」
「あっ?」
低い声でレイが振り向く。