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大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第3章 拒絶
 最後の言葉は、嫌味だ。

 レイと従兄だ、というだけで、サラサは彼に好意を寄せる女たちから嫌がらせを受けることがあった。呼び出され、関係を問い詰められたこともある。
 
 だから極力、彼との接触は控えていたのだ。

 レイから返って来たのは、驚きだった。彼の言葉が、真剣なものへと変わる。サラサが嫌がらせを受けていたことは、知らなかったようだ。

「ま、待てよ……お前、俺のせいで何かされていたのか?」

「別にあなたが気にすることじゃないわ。みんな小さなことだったし」

「小さなことって……やっぱり何かされてたんだな⁉ 何を――」

「もういいから!」

 サラサの声色の強さに、レイが息を飲んだ。ショックを受けているようだが、気づかないふりをして言葉を続ける。

「私たちは……いがみ合っていた関係でしょ? 別にいいじゃない。私に何があろうと、あなたには関係ないわ」

「わ、悪かった……そう……だよな。だってお前には……テネシーという恋人がいるもんな。俺が謝りたかったのは……お前に恋人がいるのに、俺と夫婦にされてしまったことだ」

 テネシーという名に、サラサの身体が強張った。
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