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大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第4章 十年間の想い
「だけどパーティーの後、親父にすっごい怒られてさ。まああの時はガキだったから、素直に親父の言うことを聞いてお前と仲良くできなかった。それに次に会った時、お前が凄く怯えた表情で俺を見てて……凄くショックだったよ。けど……ずっと忘れられなかった。お前と仲良く話したあの日のことを――」

 憎き商売敵の一人娘だと言われ、仲良くするな、あいつは敵だ、ろくでもない女だ、と父親に言われ続けたレイだったが、成長するにつれて疑問へと変わっていった。

 サラサ・ライトブルは、父親が言うような酷い女なのかと。

 だが、どれだけサラサを観察しても、物静かで思慮深い面しか見られない。それどころか、無性に言葉を交わしたい衝動に駆られてしまう。

 父親の言葉と、自分の気持ちに板挟みになったレイは、とうとうこんな屁理屈をこねてサラサに近づくことにした。

「仲が良いように見られなければ、話してもいいんじゃないかってな」

「だから、自慢話とかしてきたの?」

「まあ……な。今思えば、俺のことを凄いって思って欲しいっていう下心もあったんだけど」
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