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大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第5章 正攻法
「でもまあ……アイツがお前に告白したから、俺も気持ちに気づいたようなもんだしな。締めるのは勘弁してやるけど、別の方法で思い知らせてやる! 俺のサラサを傷つけた罰は、絶対に受けて貰うからな!」

 俺のサラサ、という言葉に、当の本人は頬を赤くした。

 改めて、彼と気持ちが通じ合ったと思うと、嬉しさ以上の恥ずかしさが込み上げてくる。そんな彼女の頬に、レイの手がためらいがちに伸ばされた。柔らかさ、滑らかさを楽しむように、何度も頬を優しく撫でる。

「マーガレット婆ちゃんは、全部知ってたんだろうな、俺たちの気持ちを……だからあんな無茶な遺言を残したんだな」

「そう……かもね」

 マーガレットはいつもサラサに、レイのことを聞いていた。そっけなくレイの様子を伝えるといつも、

”まったく……こっちも重症だねぇ……あたしが一肌脱がないとどうにもならないねぇ”

と呆れたように決まってこの言葉を口にしていた。

 実はレイも同じことを言われていたらしい。

 あの時は、何のことを意味しているのか分からなかったが、今なら理解できる。

 二人は顔を見合わせると、小さく笑い合った。
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