この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第5章 正攻法
そしてチラッと閉ざされた扉に視線を向ける。
「サラサ。あの扉、お前の力で何とか開けられるものか?」
「……無理ね。さすがに大魔女であったお婆様の力には勝てないわ」
「そうか。なら仕方ないな」
「……え? ちょ、ちょっとレイ? きゃぁっ‼」
サラサの悲鳴が響き渡った。
見上げた視線が、レイとぶつかる。彼がサラサを押し倒し、上に覆いかぶさったからだ。
彼の口元が意地悪く緩む。
「なら、正攻法で脱出するしかないだろ」
「せ、正攻法って、ちょ、ちょっと待って!」
慌てて声を張り上げるが、レイはそれには答えず、サラサの黒い髪を一房すくい上げた。
「お前の髪、元に戻してくれないか? 見たいんだ、俺が魅せられた、あの綺麗な赤を……」
熱のある視線を向けられ、サラサの顔が真っ赤になった。
今でも、自分の髪色はコンプレックスだ。
だけどレイが望むなら、
彼が綺麗だと言ってくれるなら、
晒してもいいと思った。
赤い瞳を伏せると、小さく言霊を唱える。
「サラサ。あの扉、お前の力で何とか開けられるものか?」
「……無理ね。さすがに大魔女であったお婆様の力には勝てないわ」
「そうか。なら仕方ないな」
「……え? ちょ、ちょっとレイ? きゃぁっ‼」
サラサの悲鳴が響き渡った。
見上げた視線が、レイとぶつかる。彼がサラサを押し倒し、上に覆いかぶさったからだ。
彼の口元が意地悪く緩む。
「なら、正攻法で脱出するしかないだろ」
「せ、正攻法って、ちょ、ちょっと待って!」
慌てて声を張り上げるが、レイはそれには答えず、サラサの黒い髪を一房すくい上げた。
「お前の髪、元に戻してくれないか? 見たいんだ、俺が魅せられた、あの綺麗な赤を……」
熱のある視線を向けられ、サラサの顔が真っ赤になった。
今でも、自分の髪色はコンプレックスだ。
だけどレイが望むなら、
彼が綺麗だと言ってくれるなら、
晒してもいいと思った。
赤い瞳を伏せると、小さく言霊を唱える。