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大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第6章 初夜①
 恥ずかしさで強く瞳を瞑り、胸の前で両手を握りながら、素直に首を縦に振るしかなかった。

 そんな彼女の上に、深いため息の音が落ちる。

「はぁ……つら」

「辛い? わ、私、何か……した?」

 瞳を開くと、手の甲で口元を覆ったレイが映った。サラサから視線を逸らし、どこか苦しそうに眉根を寄せている。茶色の髪の隙間から見える耳が、先まで真っ赤だ。

 恨めしそうに視線だけを寄越しながら、ぼやく。

「なんでそこで急に素直になるかな……心がついていけないだろ。こっちだってな、お前の知らない一面を急に見せられて耐えられるほど、まだ耐性がないんだからな……」

「えっと……あの……ご、ごめんな……さい?」

 正直、ブツクサ言っている内容が理解できない。

 だが、自分がした何かが彼を辛くしたのは分かったので、語尾を疑問形にしつつも謝った。が、サラサが彼の気持ちを理解せずに場を収めるために謝ったのだと気づいたのか、レイはムっと唇を尖らせ、再び顔を近づける。

「駄目だ。無自覚で俺を煽るサラサが悪いんだからな」

「あ、煽る? なにを――」
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