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大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第14章 和解
「何か見えるか、サラサ?」

 父親に問われ、部屋を見回した。
 ベッドが視界に映ると、生前、マーガレットが微笑みながら彼女を迎えてくれたことを思い出す。
 
 その時、目線の先にキラリと光るものが見えた。

「あれは……」
 
 本棚に立てられている一冊の本が光っている。皆がサラサの視線の先を追うが、不思議そうに小首を傾げている。どうやら遺言通り、見えているのは花嫁だけのようだ。

 小さな光を宿す本を手に取りページを開くと、一枚の紙が落ちて来た。

 亡きマーガレットからの手紙だった。

「……ええっと、

『私の残した遺産は、あなたたち《家族》です。

 皆の力を一つにしなさい。
 互いを信頼し力を合わせなさい。

 家族の愛は、どんな困難にも打ち勝つことのできる素晴らしい魔法なのだから。

 ――私の愛した家族たちへ』

 ですって」

 血を分けた息子とその伴侶。
 彼らの愛から産まれた孫たち。

 それが大魔女マーガレットが残した遺産――
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