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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第2章 悲恋の過去と美しいヒーロー

 時計が19時を過ぎた。養母には友達と長話になって、門限が過ぎてしまう謝罪連絡を入れた。ゆっくりしてきなさいと返信が来たものの、やはり気を遣うので、そろそろ帰りたいなあ……と思ったところ、

「お待たせ。書類片すのに時間かかってこの時間になっちゃったよ」

 同じテーブル席に栗色のサラサラストレートヘアーのスーツの女性がやってきた。

「あっ! ミキぃ! 待ってたよ~! あ、この子、心愛。さっき、街のコスメ屋のところでおせっかいして拾ってきちゃったあぁ~~!」

 美紅さんは、あの後、ワインやらシャンパンやらをずっと呑んでいたので随分と酔っている。

「美紅……できあがりすぎ。あんたがお節介するのは、よくあることだけど、拾うのは珍しいわね……」

「あはは~! あ、心愛、このお姉さんは、ミキぃ! あたしの親友なのお~」

「心愛です。鈴原心愛。よろしくお願いします。私、門限あるので、そろそろ帰りますね。……さっき連絡いれたとはいえ、少し過ぎてしまってるので。美紅さん心配だったんで、親友さんが来るのを待ってたのです」

 マスターが他のお客さんの席に行って、2人になってから、美紅さんは、饒舌になって、私も昔いじめられてたんだ。でもいじめたこともあるし、どっちの過去も~なんて話や、いつも恋してもうまく行かなくて~と嘆いていた。どうやら酔うとよくしゃべるタイプらしい。

 美紅さんが酔っていることに気づいたマスターもあなた飲み過ぎよ! と怒って、しまいには、今日はもうお酒禁止よ! っと、水を出していた。
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