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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第2章 悲恋の過去と美しいヒーロー
「ありがと。美紅、新しい友達が出来て、よっぽど嬉しかったみたい」

「ここあ~! さっき、過呼吸起こしてたでしょ~? ミキ、カウンセラーだから何かあったら相談に乗ってもらいな~!」

 カウンセラーさん。ミキさんがシャツの袖をあげると無数の古い傷痕が見えた。多分、昔、リストカットをしていたのだろう。このお姉さんも苦労したんだな……と思った。

「美紅は、また勝手に~~! まあ、迷える少女はほっとけないタイプだから、いつでも相談は乗るけどね~」

 ミキさんは優しく微笑んでくれる。

「親友っていいですね。私もいたんですけど……」

「親友って作ろうと思って作れるものじゃないからできた時、大切にすればいいよ。私と美紅もこう見えて、少しあったしね……。それでも親友でいれるのは、やっぱりお互い、大切に想い合った結果かなあって。お互いを尊重して……ね」

 言葉に深みがあって、その言葉に自然と頷く。

「ありがとうございます。そろそろ、私、帰りますね。あの……おいくらですか?」

「いいよー。付き合ってもらったし、あたしが払っとく~」

 美紅さんが上機嫌に手を振る。

「でも……」

「遠慮されると逆に迷惑。そのかわり連絡先交換しよおお~! また会ってよ~!」

「あっ、はい」

 美紅さんの言葉に頷いて、連絡先を交換した。美人なのに酒癖が悪い。そのギャップに私はクスッと笑った。
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