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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第3章 黒い想い出と愛情
        ***


 お風呂から上がると、美紅さんの過去を詳しく聞いた。

 Berで話していた高校生の頃、いじめられていたこと。そのいじめきていた相手が親友だと思ってた子。好きな人がその子のことを好きだったこと。

 ミキさんのことを好きだと気づいた時のこと。かっこ良かったミキさんに救われて、だから今度はあたしが誰かを助けるんだと私を助けてくれたこと。ミキさんの過去を少し。ミキさんについては、私がお風呂に入っている間に私に話していいか許可を取ったらしい。

 振られ続けてから、マッチングアプリをしたり、街コンに行ったが好きな人を作ることができなかったこと。そして、あの日、私を見て、私と話して、自分と似た姿に惹かれたこと。

 美紅さんは私に聞いた。何故、自分と正反対の人に惹かれることもあれば、自分に似た人に惹かれることもあるのだろう……と。何故、他に好きな人がいる人ばかりを好きになってしまうんだろう。結ばれない恋ばかりしてしまうのだろう……と。

「……わからない」

 私はそう答えるしかなかった。ただ、美紅さんが魅力的な人なことだけは分かる。

 この人を好きになれたら幸せなんだろうな……。

 ふと、そんなことを脳の奥で──、考えた。
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